このページでは、
・共感覚の登場する映画、小説、漫画、文献
・共感覚があると噂される芸能人
・共感覚のトレーニング方法
などについて解説します。
このページに載っている情報は、webで調べたものがほとんどなので、
信憑性が大いに疑問です。あまり鵜呑みにしないようご注意ください。
簡単な共感覚の説明を知りたい方は、『共感覚とは』
もっと詳しい解説をご覧になりたい方は、『共感覚の詳細な解説』
もご覧になってください。
共感覚を扱った映画
ファンタジア
監督: ベン・シャープスティーン 日本での初公開日: 1955/9/23
今から50年以上前に制作された、ディズニーによるアニメーション映画です。
ウォルト・ディズニーのかねてからの悲願であった、「芸術性の高い映画」の作成のために、世界初のステレオ録音を用い、
膨大なスタッフによる制作日数3年以上をかけた超大作として世に送り出されました。
封切当初は微妙な評価だったようですが、作品の制作から30年ほど(ウォルト・ディズニーの死後3年ほど)経過したときに再上映されて、 ようやく商業的にも成功した作品となったようです。
とまぁここまでなら良くある映画の品評です。
このサイトでこの作品を取り上げた理由は、この作品は、共感覚者により制作されており、
色聴による音と色の対応を表しているのではないか?と言われているためです。
音楽と映像の偉大な融合作品と言われている「ファンタジア」。果たして本当に色聴を利用しているのかは今となっては確かめようがありません。 ですが、色聴者によっては、色聴感覚を忠実に再現していると絶賛されることもあるようです。
一体どんな作品なのかは、ご自身の目でお確かめになってください。制作から50年以上経過しているため、パブリックドメイン作品となっており、 安く買うことができます。
ギミー・ヘブン
販売元: 松竹 DVD発売日: 2006/05/27
スタッフ | キャスト |
監督:松浦徹 | 江口洋介 |
脚本:坂元裕二 | 安藤政信 |
撮影監督:高間賢治 | 宮崎あおい |
音楽:nido | 石田ゆり子 |
主題歌:竹仲絵里 | 松田龍平 |
製作:アートポート、松竹、ユーロスペース | ほか |
この映画の存在は、私が購入した本の帯で知りました。すごく大雑把に言うと、共感覚を持つが故に孤独になっていた人物が他の共感覚者と 出会い、自分の感覚が孤独なものでないと知り、心を開き困難と立ち向かっていく、というようなストーリーらしいです。
共感覚をどういう風に扱っているか少しだけお伝えしたかったのですが、私が見てないのでできません…。今度レンタルして見ようと思います。
作品の制作には、共感覚者のN2さんという人が関わっているみたいです。N2さんは自分のホームページを持っています。
N2's Homepage! 共感覚
だいぶ前から更新はとまっているようですが、共感覚者だからこそ語れる面白いエピソードがたくさんあります。
共感覚を扱った小説
ごきげん目盛り(「願い星、叶い星」に収録)
短編集「願い星、叶い星」に収録 アルフレッド・ベスター著
この小説は、好きな人は好きだし嫌いな人は嫌いという賛否両論あるものらしいです。ただ、アルフレッド・ベスターさんは、 SF界ではけっこうな大御所で、代表作は、「虎よ、虎よ!」です。
内容をすごく大雑把に言うと、自分の所有するアンドロイドが犯す数々の殺人のせいで、主人公が宇宙を逃げ回る話です。 なぜアンドロイドが殺人を犯すかというと、温度がある条件を満たすと暴力衝動がでるからです。そしてこの、「温度→暴力衝動」って いう部分が共感覚らしいです。これが共感覚なのかは微妙(っていうか全然違う?)なところですが、普通に読んでも面白いので 気になった方は一度ご覧になってください。
キョウカンカク (講談社ノベルス)
著者:天祢涼
共感覚を持った美少女探偵と出会い、殺人鬼を追いかけるストーリー。共感覚が超能力みたいな扱いを受けています。ちなみに、第43回メフィスト賞受賞作です。
臨床真理 (上巻)
著者:柚月裕子
新米の臨床心理士が、共感覚を持つ少年と供にある事件を解決へと導いていきます。声に色が見える共感覚者がでてきます。超能力っぽく扱っていないのは共感が持てます。 ですが、共感覚がメインではない小説です。児童虐待を軸にした、けっこう重い作品です。
共感覚を扱った漫画
CANAAN (1巻)
作者:石田あきら
五感全部が結びつく共感覚者が主人公です。共感覚を駆使してテロとの戦いを繰り広げる少女たちの物語です。 オーラ?みたいなものが見えるため人ごみの中から狙った人物を見つけることができます。ほかにも、敵の気配のようなものを察知して、 敵の人数を把握したり、弾丸をよけたりします。
ことこと かるてっと(1巻)
作者:楠田夏子
共感覚があるせいで変人扱いされてきた女の子が、共感覚を受け入れてくれる友達と出会い、徐々に心を開いていく物語です。 主人公は音→色・形の共感覚者のようです。作中での共感覚の解説が1、2話目にに少しだけでてきたのですが、共感覚の定義に忠実に 従っている印象を受けました。共感覚を持つ女の子とその友達の女の子のごくありふれた日常を描いているため、刺激の少ない漫画だなぁ と思いましたが、少女漫画ってだいたいこんな感じですよね? 偏見だったらすいません。
黒鷺死体宅配便 (13巻)
作者:山崎峰水、大塚英志
仏教大学生5人が、それぞれの得意分野(エンバーミング、チャネリング、ダウジングなど)を駆使して死者の願いを聞き、その願いを叶えて いくという物語。共感覚がでてくるのは13巻。人の性格(オーラ)が色として見える共感覚者が登場します。 共感覚についての科学的な考察はないです。 過去の共感覚者の例として、物理学者のリチャード・ファインマン、作家のウラジミール・ナボコフ、詩人のアルチュール・ランボーがでてきます。
共感覚を扱った文献
共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人
著者:リチャード・E. シトーウィック、翻訳:山下篤子
共感覚が一般の人に認知されるきっかけはこの本が最初のようです。シトーウィックさんという脳神経科学者が、共感覚についての自身の 考えを様々な観点から述べています。SPECT等の脳血流動態測定結果を用いて、共感覚という現象を科学的に解明しようとしています。 「共感覚は不随意的だが、誘引されるのは間違いない」、「共感覚は生涯続く」等の有名な共感覚の定義はこの人が決めたようです。 今となっては、間違いではないか、と疑われる情報もありますが、共感覚を知るための古典的な本として今でも見る価値はあると思います。
共感覚―もっとも奇妙な知覚世界
著者:ジョン ハリソン、翻訳:松尾香弥子
共感覚の発生原因や発生確率、PET、fMRIによる測定結果等をハリソンさんの観点からできるだけ科学的に考察している本です。 具体的な根拠を示しながら考察していくので、信頼がおける書籍といえるのではないでしょうか。私が人に共感覚の本をすすめるとしたらこの本をすすめます。 共感覚を、「先天性共感覚」、「後天性共感覚」、「薬物性共感覚」、「芸術的な比喩」この4つに分類したのはハリソンさんです。
ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界
著者:パトリシア・リン ダフィー、翻訳:石田理恵
作者が共感覚を持つ人なのですが、内容をあまり覚えていないです…。出典を色々挙げているのである程度参考になる本だという印象は持っています。
脳のなかの幽霊
著者:V.S. ラマチャンドラン、サンドラ ブレイクスリー 、翻訳:山下篤子
脳科学者であるラマチャンドランさんの本です。この本は面白い事例がたくさん載っているのですが、作者の考えは少し難解です。 哲学的な思想も持っているみたいです。
脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ
著者:V.S. ラマチャンドラン、翻訳:山下篤子
上の本の著者の続編です。私はまだ読んでいません…。
音に色が見える世界 (PHP新書)
著者:岩崎純一
まず先に言っておきますが、岩崎純一さんを貶めるつもりは全くないです。 読んだ感想ですが、あくまで私個人の感想として、自己申告による単一事例研究が大半であり信憑性はかなり疑問だな、と感じる書籍でした。
共感覚があるかもしれない芸能人
中野裕太
レプロエンタテインメント所属
この人はテレビ番組で、「自分には共感覚がある」、と自己申告したらしいです。
2009年9月30日放送の「グータンヌーボ」では、「目を見るとその人の半生が分かる」と語ったらしいです。
2010年3月5日放送の「メレンゲの気持ち」という番組でも共感覚について語ったようです。
この人は科学的な検証を行っていないみたいですし、そもそも、大きいことを言って笑いをとる芸風らしいので、信憑性について あれこれ言うのはやぼかもしれません。真相は、このページを見ているご自身でお調べになった方がいいと思います。
共感覚はトレーニングで身に付くのか?
「共感覚はトレーニングで身に付くのか?」は、けっこうみんなが思う疑問だと思います。
限られた人だけが持つ特別な能力、普通の人には見えない幻想的な世界
というイメージが、「私も身に付けたい!」と人を引き付けるのではないでしょうか。
結論から言うと、(成人が)トレーニングで身に付けることは、限りなく不可能に近いと思います。その理由は、 現在(2010/02/18時点)での主流な共感覚の定義として、「物心付いたときから感じられた」という項目があるからです。
これでは、みもふたもないので、もう少し可能性を考えてみます。上の文章で、あえて「成人が」と断ったのにはわけがあります。
共感覚の発生原因にはいくつかの説があるのですが、現在(2010/02/18時点)主流と言えるのは以下の2つです。
『新生児の感覚未分化説』
『感覚漏洩理論』
この2つを簡単に説明すると、「共感覚者というのは、特殊な脳の持ち主ではないのか?」ということです。
成人後はあまり脳が成長しません。なので、成人前、さらに言うと、乳幼児期に特殊な訓練を行えば、
もしかしたら共感覚を持つことができるかもしれません。ただ、可能性はかなり低いと思います。
可能性を否定しておいてなんですが、可能性が完全にないわけではありません。私としては、学童期における音楽教育に「色聴教育」を 取り入れれば、何かしらの音楽的才能を引き出せるのではないかと考えています。
【続編】共感覚はトレーニングで身に付くのか?
脳科学を扱う研究者の中には、「共感覚をトレーニングで身に付ける方法」を紹介している方もいるみたいです。
苫米地英人さんは、「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方~「クリティカルエイジ」を克服する加速勉強法~」の中で、 「『ある感覚を別の感覚に置き換える』トレーニングをすれば、共感覚が身に付く」と語っているようです。例えば、 水が流れる音が聞こえた時に、青(水の色)を連想するようにする。この訓練を繰り返すうちに、水の音を聞いたとたんに青色が浮かぶようになる、らしいです。
これははっきり言って共感覚とは全然違いますよね…。ただのイメージとか連想の類です。
たぶん、「共感覚が身に付く」というよりも、「共感覚っぽい例えがうまくなる」トレーニングと言った方が正しいかもしれません。
ですが、「脳の可能性は無限大なのだから、もしかしたら共感覚が身に付くかもしれない」と言われればその通りだとは思います。
共感覚に限らず、脳の可能性を延ばすための手法って色々ありますよね。テレビでもよく、「これをやれば天才児に育つ!」っていう特集をやっています。 携帯用ゲーム機でも、「~を鍛えるシリーズ」が大ヒットしましたね。
脳科学という学問は、まだ始まったばかりなので全然分からないことだらけです。
それをあんな風に「これをやれば~ができる!」と断言するのはどうかと思います。
ただ、あながち間違っているとも言えないのが難しいところです。
例えば、「人間の能力は、遺伝と環境のどちらに左右されるのか」には
明確な答えはでてません。しかし、遺伝の重要性を裏付ける証拠はたくさんあり、環境の重要性を裏付ける証拠も同じくらいたくさんあります。
要は、程度問題なんですね。
このページに載っている情報は、webで調べたものがほとんどなので、
信憑性が大いに疑問です。あまり鵜呑みにしないようご注意ください。
簡単な共感覚の説明を知りたい方は、『共感覚とは』
もっと詳しい解説をご覧になりたい方は、『共感覚の詳細な解説』
もご覧になってください。